雪の解けたスキー場を、きれいに。白馬村で「GREEN HAKUBA Clean Act.」が開催されました

by flumen編集部
雪の解けたスキー場を、きれいに。白馬村で「GREEN HAKUBA Clean Act.」が開催されました

GW最終日となった2022年5月8日(日)の白馬村で、今シーズンの営業を終了するスキー場をきれいにするイベント「GREEN HAKUBA Clean Act.」が開催されました。

環境に対する取り組みとして、5年ほど前から始まったというこのイベント。毎年少しずつ規模を広げ、今年は初めて白馬村内の全4箇所のスキー場(エイブル白馬五竜&Hakuba47・白馬八方尾根スキー場・岩岳マウンテンリゾート)で一斉クリーンナップを実施。

春スキー・スノーボードの最終週であるGWを盛り上げる「GREEN HAKUBA」の一貫として告知も強化し、例年以上にたくさんの参加者が集まりました。エイブル白馬五竜スキー場で参加してきた様子をレポートします。

2022年は初めて白馬村内の全スキー場で一斉開催

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今回参加してきたのは、朝9時から受付していたエイブル白馬五竜スキー場。エスカルプラザ前に参加者たちが集合します。

前日は雨が降りましたが、この日はよく晴れてクリーンナップ日和に。例年は地域住民の割合が多かったそうですが、この日の駐車場には県外のナンバープレートも目立ったとのこと。観光文脈に乗せて発信したことで、スキー・スノーボードや登山の観光客も参加していたようでした。

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白馬村長、五竜社長より挨拶、五竜スタッフからの説明がありスタート。ウィンターシーズンの終わりとグリーンシーズンの始まりの境目ということで、「GREEN HAKUBA」と題していろいろなイベントが行われていた今年のGW。Clean Act.が、その最後を締めくくるイベント。デザインがフェスっぽくてかわいいです。

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参加者は先着順で「GREEN HAKUBA」のTシャツがもらえるということで、皆さん朝から張り切って参加していました。

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軍手やトングを持参している人も多く見られ、持っていない人にはこちらの軍手が配られました。身ひとつでふらっと立ち寄っても参加できる。かわいい。

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雪がすっかりなくなったゲレンデに人が散らばる光景は、普段なかなか見られないもの。雪の積もった冬にしかスキー場を訪れたことがない人にとっては、新鮮な景色なのではないでしょうか。

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ウィンターシーズンとグリーンシーズンが交差する5月。まだ山頂にはたっぷり雪が残ります。五竜ではリフトやゴンドラを使わず、歩いて登れる範囲のみでクリーンナップが行われました。

GW最終日のスキー場にて、ハイキング気分でゴミ拾い

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春になるとゲレンデにも緑が溢れ、花が咲き乱れ、ハイキング気分で歩けます。雪があるときには見えなかったものがいろいろと見え、面白い発見もありました。

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たとえば、実はこのように木の階段があり、歩いて登りやすいようになっていたり。

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当然ながらゲレンデ脇のレストラン前もすっかり平地になり、ゲレンデの中腹まで車が乗り入れられます。

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リフトの柱に取り付けられた緩衝材はそのままに。乗り場や降り場付近にも歩いて立ち入れるようになります。この付近には乗り降り時の落とし物が残りやすいんではないでしょうか。

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雪のないゲレンデは走り放題。子供たちも楽しみながら宝探し気分でゴミを拾っているようでした。

高校生、ファミリー、小さなお子さん連れなど100名以上が参加

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Clean Act.」はSDGs教育の一貫として活用してもらう意味合いもあり、子供も多く参加しています。100名以上が参加した中、親子やファミリーでの参加が4分の1ほどと、高い割合を占めています。

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また、今年は高校の団体参加もあったそう。白馬高校から約20名に加え、富山県の高校からも約10名が参加。日曜日にも関わらず、ジャージ姿の高校生たちが3割近くを占めました。

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アウトドア仲間同士や友人同士での参加もいれば、1人でふらっと立ち寄ったような方も。普段どおりの服装で、気軽に参加しているのが印象的でした。

雪が解けたスキー場から出てくるゴミは、どんなもの?

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4〜5ヶ月に渡って地面を覆っていた雪が完全に解けたら、ものすごい量のゴミが出てくるのでは……?と思いきや、五竜の担当者さん曰く、そこまで大量には出ないそう。こうしたイベントのおかげで環境意識も高まり、年々ゴミが減っているのだとしたらいいことです。

スマホやGoProなどが発見されることもありますが、多くは何かの破片や部品だったり、何らかの理由で雪に埋まってしまったようなもの。故意なポイ捨ては少ないようで、安心しました。

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ビニール袋に入り切らない鉄パイプのようなものを拾っている人も何人か。

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なんだかすごいものをお持ちの方がいたので、見せてもらいました。何かの鉄製パーツと、黒いゴム破片のようなもの。土に埋まっていたそうです。

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こちらの方が持っているのは折れたスキー板ですね。滑走中に折れてしまい、見つけられなかったのでしょう。折れた人は無事に滑り降りられたのでしょうか。当時のシチュエーションをいろいろと想像してしまいます。

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大量のダンボール片を拾った方もいました。スキー場内では出なさそうなパソコン関係の箱のゴミで「風で飛ばされて来ちゃったのかもしれませんね」とのこと。ワンシーズンのうちに強風の日もあるだろうし、必ずしもそのスキー場で出たゴミとも限らないわけですね。

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この日のクリーンナップ時間は約1〜2時間。100人以上で拾ったにしては、そこまで多くないように見えるゴミの量!

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しかし残念ながら、ペットボトルや缶のゴミもこのくらいはありました。自動販売機で買ったものを捨ててしまったのかもしれません。こうしたイベントを経て、今後は減っていくといいですね。

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そして破片や部品など燃えないゴミになるものが、このくらいありました。鉄パイプのようなものは土に還ることもなく、放置されていると危ないので、こういう機会に撤去できてよかったなと思いました。

雪の偉大さを感じつつ、季節はグリーンシーズンへ

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通常のゴミ拾いとはちょっと違った、雪が解けたスキー場のクリーンナップというイベント。参加者たちは拾ったものを見せ合ったり、「お金出てこないかなー」と冗談を言ったりしながら、楽しんでいる様子でした。

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それにしても、リフト1本分を登って降りてくるわけですが、目で見た感覚以上に遠い……。雪があれば滑って15秒で降りられてしまうのに、徒歩で降りると何倍も時間がかかります。改めて、雪の偉大さを感じました。

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しかも雪解け水が流れている場所があるので、油断して歩いていたら靴がドロドロになりました。このときほど「雪があれば……」と思ったことはない。

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同じゴンドラでも、雪のない青空の元ではこんなにくっきりと。ウィンターシーズンが終わり、これから爽やかなグリーンシーズンを迎えます。楽しみですね。

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イベント後、白馬村観光局の方や五竜のスタッフの皆さんと話しましたが、みな口々に言うのが「いやー、今年も終わりましたねー、これからいい季節ですねー」ということ。

スキー場の営業期間は1年で一番の繁忙期となり、観光業に携わる人は誰もが忙しく過ごしている白馬エリア。5月になると花が咲き緑が鮮やかになり、田んぼに張られた水に山々が反射し、自然がとても美しく感じられる季節に。それでいてグリーンシーズンの本格スタートまでは少し時間があるため、地元の人たちにとっては少しゆっくりできる時期。みんな大好きな季節だそう。

シーズン中、楽しく遊ばせてくれたスキー場に感謝して、「なんとか今年もやり切りましたねぇ」とまったりモードになり、お客さんも地域住民も運営側もみんなハッピーな空気になれる素晴らしいイベント。また来年、再来年と続いていき、遊びのフィールドをみんなできれいに使う意識が根付いてゆくといいですね。

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